■日本人と離婚したらビザは取り消される? ■定住者ビザをとればいいって聞いたけど… ■定住者ビザがとれない場合はどうすれば… |
配偶者ビザは、日本人の配偶者としての活動をもとに付与されています。日本人と離婚すると「日本人の配偶者」に該当しなくなり、ビザ取消の対象となり、更新時に不許可となってしまいます。
また、配偶者ビザの在留期間が残っていても実質的な婚姻関係の破綻や離婚から6ヵ月以上経過している場合には、ビザの取消の対象となりますので注意が必要です。
ただし、日本人との離婚後に適切なビザへ変更することで、引き続き日本での在留が認められる場合があります。
このページでは、日本人と離婚後に変更できるビザ、その許可要件について説明します。

目次
定住者ビザへの変更を検討する
日本人と離婚した場合、まずは定住ビザへの変更を検討します。定住者ビザのメリットとして、配偶者ビザと同じように就労制限がないので、ビザの変更にともない仕事を変える必要がありません。
日本人配偶者との間に生まれた子供がいる場合は、要件が一部緩和されますのでそれぞれ確認していきます。
離婚した日本人配偶者との間に子供がいない場合
審査要領には下記の通り記載されています。
- 日本において、おおむね3年以上正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる者
- 生計を営むに足りる資産又は技能を要すること
- 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有しており、通常の社会生活を営むことが困難となるものでないこと
- 公的義務を履行していること又は履行が見込まれること
【3年以上の正常な婚姻関係とは】
3年以上の婚姻関係は、住民票が一緒であるだけではなく、実際に夫婦で一緒に暮らしている必要があります。例えば結婚してから1年だけ一緒に暮らし、その後2年間は別居をして、3年経過した後に離婚をしても3年以上の婚姻関係とは認められません。
そのため、入管に提出する書類は、住民票だけでなく、一緒に生活をしていたことの証明として婚姻期間中の写真などの提出も必要です。
ただし、婚姻関係が3年に満たない場合でも、配偶者によるDV、浮気、ギャンブルや借金などが原因で離婚した場合は、変更が認められる可能性があります。
【生計を営むに資産とは】
安定した収入については正社員だけではなく、レストランやコンビニ等の接客系の仕事・アルバイトなどで得た収入も認められます。
【日本語能力とは】
日本語能力試験に合格していることまでは求められません。日本で生活する上で、日本語の必要最低限の読み書き、コミュニケーションがとれるレベルとされています。
【公的義務とは】
入管への離婚の届出や住民税、健康保険、年金などの各種税金の支払いが確認されます。
離婚した日本人配偶者との間に子供がいる場合
下記点が審査されます。
- 生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- 日本人との間に出生した子を監護・養育しているものであって、次いずれにも該当すること
a 日本人の実子の親権者であること
b 現に相当期間当該実子を監護・養育していることが認められること
【子供がいる場合は…】
離婚した日本人配偶者との間に子供がいる場合には、3年以上の婚姻関係であることまでは求められていません。親として日本人の実子を扶養することが優先されているからです。
ただし外国人側が子供の親権を持っていない場合や子供がすでに成人している場合には、扶養の必要がないと判断され、子供がいない場合と同様に3年以上の婚姻生活が必要です。
収入に関しては、外国人側が働いて得た収入だけでなく、元配偶者からの養育費や生活保護などの社会保障も収入として認められます。
定住者ビザの条件を満たしていない場合
定住者ビザへの変更ができない場合は、次のビザへの変更を検討します。
「技術・人文知識・国際業務」
日本で専門学校を卒業、または国内外で大学(大学院)を卒業し、勤務先が決まっている場合は就労資格である「技術・人文知識・国際業務」ビザへできる可能性があります。
「経営管理」
日本で会社設立し、経営する場合に取得できるビザです。500万円以上の出資が必要です。
「留学」
日本国内の日本語学校、専門学校、大学に入学する場合に取得できるビザです。
「家族滞在」
「技術・人文知識・国際業務」、「経営管理」などの就労系ビザを持つ外国人と再婚した場合に取得できるビザです。
「日本人の配偶者等」
日本人と再婚した場合に取得できるビザです。
「永住者の配偶者等」
永住者と再婚した場合に取得できるビザです。
このページのまとめ
日本人と離婚をすると配偶者ビザの更新ができなくなるだけでなく、ビザ取消の対象となってしまいます。ただし、定住者ビザ、就労系ビザ、留学ビザへの変更、そして再婚によって日本に引き続き滞在できる可能性がありますので、各種ビザの許可要件に当てはまる場合は、ビザの変更を前向きに検討していきましょう。
当事務所では、日本人と離婚した場合の配偶者ビザから各種ビザへの変更申請をサポートしております。 配偶者ビザから各種ビザへの変更でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。