
「不倫の過去があるけど、配偶者ビザ申請でどう説明すればいいんだろう…?」「特別な書類が必要になるの?」そして「不倫の過去は隠して申請した方が有利なんじゃないか…?」と考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、配偶者ビザ申請で不倫の事実を隠すことは虚偽申請とみなされ、かえってビザ取得への道を閉ざしてしまう可能性があります。この記事では、不倫関係から夫婦となり配偶者ビザを申請する場合に注意すべき点を入管業務を専門とする行政書士が分かりやすく解説します。
目次
不倫が配偶者ビザの審査に与える影響
配偶者ビザの審査では、婚姻が真実に基づくものかどうかが最も重要なポイントの一つです。しかし、結婚に至る経緯に「不倫」という要素が含まれている場合、その事実自体が婚姻の信頼性に疑いを持たれる原因となりえます。
入管の視点から言うと、不倫関係から離婚し再婚している場合には、「前婚と同様に今回の結婚も真剣ではないのではないか」「婚姻生活が長く続かないのではないか」といった疑念を持たれます。この疑念が配偶者ビザの要件の一つである婚姻の信憑性に悪影響を与え、審査が慎重に行われる要因になります。
具体的な対応策
過去に不倫関係があったという事実だけで、必ずしも配偶者ビザが不許可になるわけではありません。大切なのは、不倫の事実を正直に申告し、その上で「なぜ前婚姻が破綻に至ったのか」、そして「現在の結婚がいかに真剣なものであるか」を丁寧に説明することです。下記事項に注意し配偶者ビザを申請することで、配偶者ビザを取得できる可能性は十分に高まります。
不倫事実を隠さない
不倫関係から結婚にいたり配偶者ビザを申請する場合、過去の不倫関係を入管に知られたくないという思いから、実際の交際開始時期を(元配偶者との)離婚成立後に偽って説明することが散見されます。
一見すると不倫の事実を隠すことは審査に有利になるように思われるかもしれませんが、配偶者ビザの申請では、交際期間を証明する資料や、交際中の連絡のやり取り、写真といった証拠の整合性が厳しくチェックされます。そのため、事実と異なる申請をすると提出書類との間で矛盾が生じ、辻褄が合わなくなることが少なくありません。
また、事実と異なる内容で申請することは虚偽申請にあたり、虚偽申請と判断された場合、たとえ些細な偽りであっても、それが原因で配偶者ビザが不許可になってしまう可能性があります。
理由書を作成し、不倫から婚姻までの経緯を説明
出会いのきっかけ、交際に至った経緯、不倫関係が始まった時期とその状況、前婚姻の状況と離婚に至る経緯、プロポーズ、家族への紹介などを理由書を作成し詳細に記載する必要があります。特に不倫関係から始まった場合、その経緯を正直に話すことに抵抗を感じるかもしれませんが、この点を曖昧にしてしまうと、かえって入管から結婚の信憑性が疑われてしまうことにもなりかねません。
婚姻の信憑性を証明する資料・書類の提出
たとえ不倫関係から始まった交際であっても、交際時の状況が分かる写真や記録などを提出することは、現在の結婚が真実であることを証明する上で不可欠です。具体的には、次のような書類を提出すると効果的です。
- 写真:二人での写真、家族や友人と一緒の写真(異なる時期・場所で撮影されたもの、日時や場所が分かると良い)
- やりとりの記録:メール、LINE等のメッセージ履歴
- 送金記録:生活費を援助していた場合
- 渡航記録:パスポートの出入国スタンプ、航空券コピーなど
- その他:共通の友人・知人や両親からの嘆願書など
反省点を踏まえた上で今後の婚姻生活の展望を説明
前回の結婚が破綻した原因や不倫の経緯を説明し、その反省を現在の結婚生活にどう活かしているかを具体的に説明します。不倫原因が元配偶者側にあるような場合は、それを証明できる離婚協議書などの客観的資料と共に説明します。
不倫という過去を踏まえつつも、現在の配偶者との関係がいかに真剣で、将来にわたって継続していく強い意思があることを明確に入管へ説明していくことが重要です。
まとめ
婚姻に至るまでに不倫の経緯がある場合、配偶者ビザ審査で婚姻の信憑性が疑われ、審査に悪影響を与えます。しかし、不倫の事実を隠して申請することは、交際経緯の整合性が取れなくなることや虚偽申請とみなされ、かえって不許可リスクを高めることになります。
重要なのは、不倫を含む過去の経緯を正直に説明することです。出会いから現在までの詳細な経緯、前婚破綻の理由と反省点、現在の結婚生活への活かし方を理由書で具体的に説明し、交際時の写真・やり取りの記録など客観的な証明書類を合わせて提出します。たとえ過去に過ちがあったとしても、それを深く反省し、現在のパートナーと真剣に将来を共にしたいという真摯な気持ちを示すことが、結果的に婚姻の信憑性を高め、配偶者ビザ取得の可能性を高めることにつながります。
当事務所では、国際結婚夫婦の入管への配偶者ビザ申請をサポートしております。配偶者ビザ申請でお困りの方は、まずは一度ご相談ください。
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