退職・転職時に必要な入管への届出

投稿:2022年6月1日更新:2025年4月23日お知らせ , 就労ビザ

「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザを持つ外国人の方が、ビザの活動範囲内の仕事内容であればビザの変更申請をせずに転職が可能であることをご存じの方は多いかと思います。その一方で、転職や退職をした際に外国人ご自身が入管へ届け出なければならない届出があることは、意外と見過ごされがちです。後になってこの手続きの存在を知り、「え、そんな届出が必要だったの?」「もし提出し忘れていたら、どうなるんだろう…」「手続きはどうやって?どこに提出すればいいの?オンラインでもできるのかな?」といった疑問や不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、外国人の方が退職・転職する際の入管への届出義務について、その必要性、怠った場合の影響、そして具体的な提出先やオンラインでの手続き方法を入管業務を専門とする行政書士が分かりやすく解説します。

退職・転職時に入管へ届出が必要?

就労ビザを持つ外国人の方が日本で退職や転職をする際には、様々な手続きが発生します。会社側では、日本人従業員と同様の社会保険や雇用保険の手続きに加え、外国人雇用に関する独自の届出(「外国人雇用状況の届出」:ハローワークへ提出)が必要です。

しかし、外国人本人にも入管へ行うべき重要な手続きがあります。

これは「所属機関等の届出手続」と言い、入管法(第19条の16)で退職・転職から14日以内の届出が義務付けられています。

届出は、ビザによって次の通り区分されますので、それぞれのビザに対応する届出が必要となります。

活動機関に関する届出
「教授」「高度専門職1号ハ」「高度専門職2号ハ」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「教育」「企業内転勤」「技能実習」「留学」又は「研修」ビザの場合。
契約期間に関する届出所属機関
「高度専門職1号イ又はロ」「高度専門職2号(イ又はロ)」「研究」「技術・人文知識・国際業務」「介護」「興行」「技能」「特定技能1号」「特定技能2号」ビザの場合

入管へ届出をしないとどうなる?

14日以内に届出をしない場合や虚偽の届出をした場合には、次の罰則が定められています。

14日以内に届出をしない場合➡20万円以下の罰金
虚偽の届出をした場合➡1年以下の懲役又は20万円以下の罰金

実際には、退職・転職のケースにおいて届出義務違反として上記罰則を受けることはあまりありませんが、ビザの更新・変更申請において、マイナス要素として審査に対し不利益に働く可能性があります。次回のビザ更新・変更申請が不許可となる場合や在留期間が今のものよりも短くなってしまうこともあります。

既に退職・転職から14日過ぎてしまっている場合でも、次回のビザ更新・変更申請に不利益にならないよう、すぐに提出するようにしましょう。

提出先は?

所属機関に関する届出は、最寄りの入管窓口のほかに、郵送とインターネットでも受け付けています。

【郵送の場合】
〒160-0004
東京都新宿区四谷1丁目6番1号四谷タワー14階
東京出入国在留管理局 在留管理情報部門 届出受付担当
【インターネットの場合】
出入国在留管理庁電子届出システムを利用するといつでもオンラインで届出を行うことができます

このページのまとめ

就労ビザで滞在する外国人の方が退職・転職の際に必要な入管への届出は、往々にして忘れがちです。しかし、この届出は入管法(第19条の16)に定められた義務であり、14日以内に届出しない場合やうその届出をした場合には、罰則も定められています。

実際に罰則を受けるとまではいかないにしても、次回のビザ更新・変更申請での審査で不利益に働く可能性はありますので、退職・転職の際には14日以内に届出を行うよう注意が必要です。

当事務所では、退職・転職時に必要な入管への届出をサポートしております。 届出を忘れていた、届出を出さずにビザの更新・変更申請を迎えてしまったなどの理由でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

入管業務専門行政書士。個人の方からのご依頼を中心に、永住許可申請をはじめ多数のビザ・在留資格申請をサポートしてきました。ビザ・在留資格でお困りのへ、当事者の気持ちに寄り添った親身な対応を心がけています。

高度専門職ビザとは?その7つのメリット 配偶者ビザの要件と必要書類について
 お申込みフォーム:24時間受付可能            ✉無料相談ご予約はこちら